2008/12/26 (Fri) 涙であろうか

目を濡らすそれは


涙であろうか




剰りに流れてしまうから


ボクは疑ってしまうのだ



眼は二つしかないはずなのに

剰りに流れてしまうのだ

剰りに流れてしまうのに

この眼は幾つも見落として


涙眼が晴れた時
虹が架かれとは言わないが


曇り空だけは見たくない

昨日より広く
昨日より明るく

涙空

2008/12/25 (Thu) きよし かのもの なきし このよる

空に願った初恋を
並べて浮かんだ星涙

１つひとつさへ大人に 成り果てると気付くその度に

叶うと願ったあの空は 剰りに遠いと泣きました

子供のころ掴んだあの雲は この手を濡らす事なく消えました



独りで綴る聖なる夜に 舞い散る雪は願いでしょうか

冷たく燃える 希望でしょうか

剰りに美しくて 剰りに哀しくて


大人を優しく焦がしていきます



両の手握って唱える魔法
雪がうるさくて聞こえないよ


あなたの声とあなたの言葉
夜が静かで忘れられないよ

2008/10/18 (Sat) 涙の理由

その時 涙を流すとき
ボクの涙はあまりにも軽すぎた

ああそうか
泣きたいときに泣けなくなった



それを成長と呼ぶのでしょうか


それでも涙を求めたら


まるでこどものようだった

それを成長と呼べるのでしょうか


泣きじゃくったボクは
もっと大きくなりたいと 願って止まない

そうやって 流した涙だと
ぼやけた世界で決意した




こぼした雫は足跡をなぞって
想いを過去に刻み込んだ


優しさという名の100の雫を
一つ拾って涙に変えた

力に変えた




涙は決して忘れない





決して決して
喜びも悔しさも見届けたことを
見失わぬように

2008/09/23 (Tue) この街の独り言

重い体を　満員電車に預けて

地下鉄のホームに産み落とされた

逃げ出したいことを　言い訳にして

逃げ出すことに　夢見てた

 

逃げるように　体を引きずって街へ飛び込めば

「よくある主人公」　気取れるはずなのに

 

ここはよく似ていた　この頼りない体と

ぶら下がっている汚い吊皮と

整然と並んでいるそれを見て　僕の居場所はないと知った

 

 

汚れた体を　地下のベンチにうずめて

独りで眺めるこの街の“僕”

あの頃はよかったな　なんて思い出し笑い

すがる思い出すら忘れていた

 

摘み取られもせず　葉を伸ばしもせず　ただいつも

名もなき草に混ざってコンクリートの空見上げてる

 

ここはよく似ていた　この何かを忘れた顔と

無情に歩く人々の群れと

ただ日の当たらない僕だけは　きっと

枯れてしまうに違いない

 

遠くに走る電車の音で　かき消された独り言

誰の耳にも届かない叫び

もしそれにすら負けない想いを乗せた独り言なら

あなたに届きますか

唄なら強いですか　思い出してくれますか

 

明日の勇気になりますか

2008/09/19 (Fri) 生きる証明

ふと思い出して昔のこと 頭に浮かんだ懐かしい声
今だから分かる幸せ

君は遠くへそしてボクは逆へ 自分の引いたレールに乗っかって
一人で進み出してた

決意の地に踏み出して 目が眩んだって前を見つめた
必死にしがみつくように

少しずつでも前に進めて 明日が少し分かるようになって
昨日は忘れていった

ちょっとだけ疲れただけさ
立ち止まって思い出しただけ
寂しいわけじゃないけれど
今頃君はどうしているかなって 心配なだけさ

あれこれ ききたいことがあるよ
いろいろ 教えたいこともあるよ
言葉ばかり浮かんではくるけど
どうしても恥ずかしくて


変わったといえば少しだけね 背が高くなったんだよ
眼も悪くなったよ

君と別れて独りを生き 大人に近づけたけれど
いまだに唄っているよ

笑っていられるように
強くなれますように
言葉に込めて唄っているよ
今でも君は頑張っているだろうって 心配なだけさ

やっぱり 作り笑いは分かるから
それでも 弱いままじゃ嫌だから
頑張れなんて言いたくはないけれど
ずっと君の見方でありたい


泣いてないよ
泣いてないよ 唄い続けたい


あれこれ ききたいことがあるよ
いろいろ 伝えたいこともあるよ
遠くにいても言葉にならなくても
この唄が届きますように

やっぱり 作り笑いは分かるから
それでも 弱いままじゃ嫌だから
本当に強く生きられた時に
強く笑えますように

唄っていられますように